【子どもの学習】理解が遅い・覚えが悪いと感じたときに試すべきこと
こんにちは、英心うえの塾の中村です。日々、多くの生徒や親御さんと接している中で、よく耳にするのが「うちの子、理解が遅いのでは?」というご相談です。進学塾を運営する立場から、私がどのようにお話ししているかを共有させていただきます。
『理解の速さ』にこだわらないことの重要性
まず大切なのは、「理解の速さ」を問題視しないことです。いくつかの視点から見て、「理解の速さ」よりも、「できるようになるまで粘り強く学ぶ習慣」を身につける方が、はるかに重要だと考えています。 理解の遅さを気にしすぎると、子どもの自信を損なう危険性があります。一度身につけたスキルは、これから先、さまざまな場面で活用できるものです。実際には、学ぶ時間よりも、その技術を使いこなす時間の方がずっと長いのです。短期的な視点で「理解が遅い」と焦るのではなく、長期的な目線で子どもを見守ることが大切です。
社会人の視点で考えてみる
社会人の例を考えてみるとわかりやすいかもしれません。同僚の中には、仕事の技術を習得するスピードが異なる人もいるでしょう。しかし、一度習得してしまえば、その速さはほとんど問題にはなりません。少し理解が遅くても、さまざまな技術を習得し、使いこなす社員が重宝されるのです。 このように、学ぶ期間は短く、技術を使って成果を出す期間は長いものです。ですから、理解の速さを気にすること自体があまり意味のないことなのです。
得意な分野を伸ばし、苦手はじっくりと
親として、どうしても子どもの苦手な分野に目が行きがちです。しかし、苦手なことはすぐには伸びません。それよりも、得意な分野をどんどん伸ばすことで、他の能力も一緒に伸びていくという「汎化」の原理があります。脳はこのように機能するため、得意なことを伸ばしていく方が、子どもも意欲的になり、結果として苦手な分野も改善されるのです。
理解の速さを気にせず、挑戦し続けることを習慣に
子どもは本来、何にでも挑戦しようとしますが、年齢を重ねるごとに「失敗への恐れ」や「自信のなさ」から、挑戦することが難しくなることがあります。人が何かを始めるときには、「決意➡行動➡継続」という三つの過程があります。多くの人がこの過程をクリアできませんが、挑戦し続けることができる人は少数派です。 ですから、「理解の速さ」にこだわるよりも、「できるまでやり続けること」を導き、達成したときに一緒に喜ぶことが、子どもにとって非常に大切なことだと思います。
大人も挑戦し続ける姿勢を大切に
大人になってから新しいことを始めるのは、非常に難しいことです。最初はうまくいかなくても、「できる瞬間」が訪れ、その喜びを感じることができます。他者とのスピード比較で自己嫌悪に陥るのではなく、「やり続けることの価値」を理解し、それを実践することが重要です。 進学塾の講師として、私は「やり続ける力」を高めることの重要性を意識しながら、子どもたちの学習をサポートしていきたいと考えています。