英心うえの塾は「個別学習」。「個別指導」ではありません。
英心うえの塾の中村です。
今回は、個別指導の話をしたいと思います。
英心うえの塾の個別では、「個別指導」ではなく「個別学習」を導入しています。
なぜ、個別指導を行なっていないのか、お話していきます。
「自学自習の支援が塾の最大の目的である」を前提にすべてを考え直した!
なぜ、塾をやっているかを考えると、最終的には、生徒が自分の力を最大限発揮して、自分の目標を達成し、その自信を基盤に次への挑戦をして、生徒が自分の人生を謳歌して欲しいという願いから来ている。
そう考えると、生徒が自ら学び、自分のやりたいことに応じて、必要なことを学ぶ力をつけるために学習指導をしている。
だが、塾は受験に合格することを目の前の目標にしているのだから、短期的な目的も必要である。結局は、生徒が自走し、自ら学び、意欲的に目標に向かう姿勢が必要である。そう考えると、塾が学習指導をする目的は、「自立」への支援ということになる。
全てが、自学自習につながるよう、意欲を高め、成績を上げてやることをゴールに据えなければならないと考えられる。
その目的に外れるものは全部捨ててみようと考えた瞬間があった。
「個別指導」は最強の受験指導・学習指導ではないと思い始めた瞬間
20年前、とある個別指導学院で教室長をやっていたときの話である。
2年間やってみたが、個別指導の問題が山のように出てきた。
1 先生の数が必要で選抜している余裕がない
2 大学生の先生はよく欠勤する➡毎日シフトの調整に追われる
3 大学生の先生は慣れた頃に塾講師を卒業する
4 学習指導法は教室長にゆだねられ、ノウハウが蓄積されない
個別指導はとにかく先生の数が必要である。その個別指導学院は1:2で先生1人が生徒2人を指導する形態だったので、生徒数の半数は先生が必要ということになる。
なぜか、生徒は毎月のように入塾してきて生徒はどんどん増えるのだが、そのたびに教師不足の問題に悩まされる。面接後即採用ということが頻発し、講師の質に目を向ける時間の余裕もなく、とにかく毎日何とか授業を成立させることで精いっぱいになる。
集団指導の先生のように、「ベテラン」の先生は存在せず、とにかく親切丁寧に教えてくれる気安い先生という感じだ。
大学生は学業が本業で、塾講師は副業である。だから、結構簡単に休む。デートがあるときも休む。大学の試験前も休む。ただし、これは仕方のないことかもしれない。
生徒の担当はコロコロ変わり、一体何を個別に指導しているのか分からない状態になる。
当時勤めていた会社は、教室長の離職率も高く、他の教室長との会議や研修も、あまり得るものがなかったと思う。
個別カリキュラムとオーバーラップ学習法で生徒が自ら学べる理想の教室
大学生講師に依存しない、勉強法を教えて、生徒がどんどん学べる理想の教室を作りたいと考えるようになった。
退職後、「自立教育」を掲げる塾に入社し、様々なことを研究した。
その後、英心塾を創設して、個別カリキュラムとオーバーラップ学習法で生徒が自ら学べる理想の個別学習塾を作った。オーバーラップ学習法については後述する。
塾には、カリキュラムを管理する先生と分からないところを教えてくれるサポーターの先生が複数いる。
生徒は誰に質問してもOK。納得がいかない場合は別の先生にもう一度教えてもらってもOK。
生徒には、今の学力に合った最善の教材が選定され、それに合った動画教材も使える。
映像授業を毛嫌いする塾講師が多いが、授業は学ぶための手段に過ぎず、目的に応じて活用すれば、映像授業は効果的である。個別指導は「講義」には向いていない。授業で一通りの内容を教えるには集団指導か映像授業しかない。
体系的な学習は動画で行い、問題に挑んだときに発生する諸々の疑問点は先生の個別指導を受ける。
定期テスト3週間前までに一通りの学習を済ませ、3週間みっちりテスト対策を行う。
テスト前は、テスト前特訓を行い、総合演習や弱点補強を集中的に行う。
塾としての学習指導方針がしっかりしているので、学習効果が先生の質に左右されない。
忘れないうちに復習するオーバーラップ学習法で正しい学習習慣がつく!
普通の個別指導は、曜日で科目が決まる。
これは先生の都合によるもので、生徒の学習効果を考慮したものではない。
例えば、月曜日に英語を指導する。宿題を出して、来週までにやって来いと指導する。
まじめな生徒はしっかり復習して来るが、多くの生徒は、宿題をぎりぎりにやるか、テキトーにやって次週やってくる。
あまり理解、定着のないまま、次の新しい内容を教える。
もしくは、ひどい個別指導になると、先生が「今日何やる~」から始まる。
まるで連続性のない指導が行われる。
英心うえの塾の個別学習では、ある日やったことを次の日に宿題として復習をする。4日以内に次の学習日がやってきて、その時に疑問解消と確認テストを行う。
忘れないうちに復習をして、どんどん復習を重ねる、オーバーラップ学習法で確かな学力と正しい学習習慣をつけるのがねらいである。
個別指導がオワコンだと気付いてから、随分年月が経過してしまったが、今はこの学習法をさらに研磨してより良いものに仕上げようと日々研鑽している。
20年前の挫折感は、今はない。