英心うえの塾のブログ

【大学受験の勉強法】部活と受験勉強は両立できるものなのか?

理数適塾の中村です。

「部活と勉強を両立しよう」という言葉、よく聞きますよね。

実際、部活も一生懸命やりたいし、将来のために勉強もしなければいけない。そう思っている人は多いと思います。

けれど、実際に部活を全力でやっていると、体力的にも消耗するし、その後に勉強するのはかなり大変です。

 

そこで今回は、

「部活と受験勉強の両立」は本当に可能なのか?

両立するにはどうすればいいのか?

について、少し踏み込んでお話します。

中学生は意外と「両立」できる理由

まず前提として、今回は 大学受験に向けた話です。

中学生の高校受験においては、部活と勉強の両立があまり問題にされないことが多いです。なぜなら、比較的「できる」子が多いからです。

中学の学習量は、高校に比べてまだ少ない。

つまり、やるべき量そのものが少ないので、部活をしながらでも、勉強時間をしっかり確保し、成果を出すことができる生徒が多いということです。

しかし、高校生になると話は一気に変わります

大学受験になると「両立」は一気にハードモードに

大学受験、とくに国公立大学を目指すとなると、勉強のボリュームは 中学の約6~8倍にもなります。

  • 中学:5教科中心
  • 大学受験:最大で10教科、1教科あたりの深さが違う、難易度も3〜4倍

この圧倒的な差を踏まえれば、「部活も本気で、受験勉強も本気で」というのは、極めて難易度が高いチャレンジです。

両立の判断方法:やってみて、できるかできないか

まず初めにやるべきなのが、勉強と部活は分離して考える。

特に一般入試で大学に合格するのに、「部活」を頑張ったかどうかは選考基準になりません。

部活は部活で真剣にやる。義務感、念のためにやっているのであれば、やる価値そのものがあまりありません。

 

大切なのは、実際にやってみることです。

  • まず、自分にとって部活がどれほど大事なのかを考える。  → 惰性でやっているなら、やめるのも選択肢。本気でやりたいなら、全力で取り組むべき。
  • その上で、行きたい大学を決め、そこに向けた年間スケジュールを立てる。
  • 週単位・日単位で、「両方を頑張って成立するか」を試してみる。

ここで重要なのは、「頑張ればできるか」「頑張ってもできないか」の見極めです。

頑張っても無理なら、それは「両立できない」ということ。

両立が難しいときの選択肢

  • ① 部活を辞める:勉強に集中し、志望校を諦めない。
  • ② 志望校を下げる:部活は続ける。その代わり、現実的に合格可能な大学に目標修正。
  • ③ 浪人する:裏の選択肢。ただし妥協を生みやすく、甘えに繋がるので慎重に。

このように、「選択と集中」が必要です。

プライドに流されず、事実を見極める

両立できない現実を受け入れるうえで、最大の障害になるのが「プライド」です。

  • 「先輩は両立できたのに、自分はできないなんて…」
  • 「自分はもっとできるはずだ…」

こうした気持ちは、確かにわかります。

でも、能力には個人差があります。それは事実として受け入れるしかありません。

 

例えば、自分にとって、東大に行くのは夢のまた夢のような話だとします。

しかし、東大生の中にも、とんでもなくできる人がいる。どこまで行っても「上には上」がいます。

 

能力差や環境差は、現実として存在します。

私たちにもそれぞれの器があります。

大切なのは、自分の器を知ったうえで、その中でどう生きていくか、です。

最後に:時間は「過処分時間」で考える

部活も勉強も、本気でやるには時間が必要です。

1日24時間、年間365日の中で、勉強に使える時間は限られます。

  • 部活に何時間使うのか?
  • 勉強にはどれだけ時間を割けるのか?

この“時間配分”を冷静に見て、収まるなら両立できる。収まらないなら、それはもう物理的に無理ということ。

まとめ

  • 両立は「可能か不可能か」ではなく、「やってみて判断」するもの
  • プライドではなく、事実と向き合うこと
  • 自分の器を知り、適切な目標と戦略を選ぶこと

高校時代は、自分の最大出力や可能性を知るとても大事な時期です。冷静な自己分析を通して、後悔のない選択をしていきましょう。

 

ただし、「事実」を見るというのは、「妥協」することにつながる場合があります。

「全部やってみて」、自分の最大限の可能性を探るという行為は、ほとんどの人がやっていません。

やった上で、実現できるか、実現できないか、見えてくるものです。

しかし、不思議なもので、本当に「全部やってみる」人が、自分でも思わなかったような結果を引っ張ってくることはあります。

 

そういう意味では、「受験」というのは、自分の可能性を知るのに、いい機会なのかもしれません。