【合宿に向けて中学受験のプロが分析!】高志中の面接3年分を徹底分析!合格に必要な力とは?
こんにちは。福井市で受験に強い塾、英心うえの塾 中学受験クラスのおやなです。
いよいよ,8月1日から中学受験クラスの夏合宿が始まります。
今年は例年以上に内容が充実しており,中学受験クラスの集団授業 受講生の全員が参加という熱気に包まれています。指導する私たちも,その意気込みに負けないように準備を重ねてきました。
その中でも,今年の合宿の大きな柱のひとつが面接指導です。
これは普段の授業時間では決して十分に確保できない領域であり,集中トレーニングができる貴重な機会です。
なぜ“合宿で面接”なのか?
中学受験、とくに高志中学校の面接は、子どもたちの「読む・考える・話す」力が一体となって問われる,言語活動の最高到達点のような試験です。
しかし,通常の授業時間内では,個別にトレーニングを積むのがなかなか難しいのが実情です。
だからこそ、福井市の塾として中学受験を本気で支える英心うえの塾では、まとまった時間を確保できる合宿を活用し、本番さながらの面接練習を実施しています。
高志中の面接は「年々高度化」しています
ここからは,過去3年間の高志中学校の面接内容を,できる限り具体的に紹介します。
▶ 2022年実施:グループ面接(3名同時)
提示されたのは1枚のイラスト。
教室の中に様々な子どもたちがいて,そこに「あなた」が入ろうとしているシーンです。
イラストに描かれているのは:
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泣いている女の子(そばには,からかっている男の子と怒っている女の子)
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車椅子の女の子(プリントを教卓の上に置きたいが届かない)
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異なる人種的・文化的背景をもつ生徒(アフリカ系・欧米系)
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折り鶴を折っている男の子
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うつむいている女の子
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会話している女の2人組 …など。
設問は以下のようなものでした:
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「あなたはどの子に,何と声をかけますか?その理由を説明してください。」(30秒間考える時間が与えられます)
→「私は〇〇の子に,△△と声をかけます」という形式で答える。
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「あなたは先生から朝のスピーチを頼まれました。みんなが気持ちよく一日を過ごせるようにするには,どのようなスピーチをしますか?その理由を説明してください。」(30秒間考える時間が与えられます)
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「月曜日の一時間目を生徒が主体的に決められるとします。あなたはどのような科目がふさわしいと思いますか?
教科を決めて,理由も説明してください。」
💡 ポイント分析:
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状況判断,観察力,共感力が問われる。
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正解がない問いに対して,自分の選択を根拠と共に説明する力が必要。
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自分の経験や考えを簡潔に言語化する能力が求められます。
▶ 2023年実施:個人面接
テーマはSDGsの17の目標。
ここから,自分の立場を3つの中から1つ選び,それぞれの問いに答えます。
立場選択:
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X:大統領・首相など(世界に影響を与える立場)
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Y:YouTuber・スポーツ選手・アイドルなど(世界で活躍する立場)
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Z:グローバル企業の社長(多数の工場を持つ立場)
設問構成:
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どの立場を選び,17の目標のうちどの目標を実現するか(30秒)
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その具体的取り組み(40秒)
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他に注目しているSDGs目標とその理由(40秒)
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実現が難しいと考える目標は何か(10秒)
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難しいと考える理由(40秒)
💡 ポイント分析:
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社会課題に対する理解と自分なりの視点が問われる。
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「立場」と「目標」を結びつけて話す,論理の飛躍のなさがカギ。
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話す内容の具体性・現実性が評価されている印象。
▶ 2024年実施:個人面接
主に3つのテーマについて質問されました。
①「小学校で一番がんばったこと」
〔設問〕
何を,どのように頑張ったかを30秒程度で答える。
〔求められる力〕
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要点を絞った簡潔な表現力
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経験の具体性と成果の客観性
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「努力のプロセス」と「達成の意味」を自分の言葉で伝える力
〔評価ポイント〕
自分の体験を単に「○○をがんばりました」と述べるだけでは不十分。
その活動を通して「どんなことを意識し,どんな困難を乗り越えたか」,さらに「その経験が今の自分にどうつながっているか」まで語れると,説得力が格段に増す。
②「防災についての話を聞いての質問」
〔出題形式〕
3つの防災に関する資料を読み,それをもとに口頭で質問に答える形式。
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自主防災について
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指令室の仕組み
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消防所の役割
〔設問例〕
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「さらに話を聞いてみたい人は誰か?なぜそう思ったか」(40秒)
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「他に質問したいと思ったことは何か?どんな質問をするか?」(40秒)
〔求められる力〕
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資料から要点を的確に読み取る速読力
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情報の要約と再構成力
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自分なりの視点で疑問を持ち,それを言語化する力
〔評価ポイント〕
単なる資料の丸写しや知識の羅列ではなく,自分の問題意識や興味と資料の内容を結びつけられるかが見られている。
たとえば「この点はもっと知りたい」と感じた理由に,日常生活の実感や,過去の経験が反映されていれば高評価。
③「夢を実現するために必要なこと」
〔出題形式〕
資料にA~Cの項目が記載されており,それらを踏まえて考える。
一方で,一部の設問は資料に載っていないため,その場で自分の思考力が問われる設計。
〔設問例〕
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「どれが一番大切だと思うか? なぜか?」(30秒)
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「他に必要だと思う力は何か? それはなぜか?」(40秒)
〔求められる力〕
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資料をもとに自分の価値判断を行う力
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根拠に基づいた意見構成の論理性
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抽象的な内容を自分の言葉でかみ砕いて説明する表現力
〔評価ポイント〕
特に後半の質問は,資料に書かれていない内容を求められるため,柔軟な発想力や発信力が求められる。
突発的な問いに対して,慌てずに「理由→考え→自分の体験」をセットにして話せることが重要。
「型にとらわれすぎない創造性」と「落ち着いて自分の意見をまとめる姿勢」が同時に評価されている。
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上記の3年分の面接を分析してわかる通り,福井の中学受験を代表する高志中の面接では,単なる暗記や準備済みの受け答えでは通用しません。
「資料の読み取り」+「その場で考え,言語化する」+「自分の経験や価値観に照らして語る」という3要素がバランスよく求められています。
また,いずれの設問も限られた時間内(30~40秒)で回答する必要があるため,
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話し方のテンポ
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話の構造(結論→理由→具体)
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声の大きさや姿勢,資料の扱い方
といった非言語的な要素も含めてトータルで判断されていると言えるでしょう。
合宿ではこれらの力を集中トレーニングします!
今回の合宿では,以下のような形で中学受験に直結する面接力を鍛えていきます。
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過去問を使った模擬面接
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限られた時間で考える訓練
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「答え→根拠→具体例」の口頭練習
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指導者からのフィードバック付き演習
これらの取り組みを通じて,その場で「考える→まとめる→話す」力を養っていきます。
この力は,受験だけでなく,中学進学後の探究学習やディスカッション活動,さらには附属義務教育学校で重視される集団活動にもつながる,基礎的かつ実践的なスキルです。
話し合い活動や協働的な学びが求められるコミュニケーションの場面では,この「その場で考えて言葉にする力」がベースとなります。
集団活動のトレーニングと面接のトレーニングは,互いに補完し合う関係にあり,学びの質を高め合うものです。
最後に
面接対策は,単なる暗記ではありません。
その場で問われたことに対して,自分の中から答えを生み出し,言葉にして伝える力が求められます。
今年の合宿では,その力をじっくりと鍛えていきます。参加するすべての皆さんにとって,この合宿が実り多いものとなるよう,私たちも心を込めてサポートしてまいります。
どうぞご期待ください。
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