英心うえの塾のブログ

【大学受験の勉強法】小論文はどう準備するか

英心うえの塾の中村です。

今回は小論文についてご説明したいと思います。

英心うえの塾では、毎年受験生が小論文の対策をしています。私や高波先生など、小論文の指導をしているのですが、小論文はやることが明確に決まっています。

そのステップをきちんとふんでいくことが大切です。

 

準備期間は4ヶ月!短い場合は高速学習をする!

小論文の準備に要する期間は、4ヶ月です。試験日から逆算して、スタート日を決めましょう。自分が受ける大学に小論文が出題されるかを確認するのは必須です。ただ、共通テスト後に受験予定校が変わる場合、後期日程で小論文が課される場合、予め準備をしていないこともあります。その場合は準備期間が短くなります。

そういう時は、やることを削ってショートカットするのではなく、学習の頻度を上げて高速学習をしてください。週1回やるところを、週4回やるとか、毎日やるなどして、やることを削らずに詰めてやるということです。

そもそも小論文は他の科目と比較してもやるべきことが膨大にある訳ではありません。

きちんとやれば習得しやすい分、いい加減にやってしまうと減点が大きくなって合格点に達しない場合があります。やることが少ない分、誤魔化しも効かない科目です。

 

やるべきことを大別すると4種類!

小論文の準備は、大別すると4つのやるべきことがあります。

  1. 書き方の型を習熟する
  2. ネタ集め
  3. 書いて添削してもらう
  4. 書きながらネタや構成、表現などをストックする

これらの4つです。

 

(1)書き方の型を習熟する!

書き方の型については、2冊ほど本を用意します。1冊はドリル形式のもの、もう1冊は読み物的なものです。塾でよく使うのが、「記述力養成・小論文書き込みドリル」と樋口先生の「読むだけ小論文」です。実際に書きながら覚えていくのと、模範文を読みながら覚えていく学習を並行して行うと良いのです。

「記述力養成・小論文書き込みドリル」はシンプルな内容なのですが、初めて小論文を書く人には最適な教材です。いろいろ使ってみたのですが、一番良いと思います。

 

基本的に、事実認識→問題提起→結論→根拠(理由)→事例→展開→結論に帰着、という流れになります。

事実認識とは、今世の中で起こっていることを簡潔に述べるという内容です。課題文を読んで書く場合は、課題文の要約を書きます。この辺りの詳細を参考書でしっかりと学んで、身につけましょう。

「自己流」では100%失敗しますので、まずは真似事から始めましょう。

 

(2)ネタあつめ

自分が行きたい大学の学部学科に関する知識を集めます。小論文でどんなテーマが出されているかを調べて、その知識、用語を収集します。

本を読んだり、YouTubeを見たり、小論文のネタ本を読みながら、どんどんネタあつめをします。

 

(3)書いて添削してもらう!

型も身につけて、ネタもある程度集まったら、早速書いていきます。

書いたら必ず添削してもらいましょう。添削と言っても、最初は、内容が伝わるか伝わらないかでOKです。初めは下手なので、何を書いているのか伝わらないことが多いです。読みやすさを追求してください。意外に、自分の考えを人に伝える難しさを実感するはずです。

 

まずは過去問に取り組みます。最初はとにかく書くという感じですが、2回目、3回目をやっていくうちに、出題意図をとらえた上で書けるようになります。必ず反復しましょう。

ある程度、過去問が仕上がったら、他の題材にも取り組みましょう。代ゼミの「新小論文ノート」はセレクトが良くて、やっていて楽しいと思います。

 

(4)書きながら、ネタや構成、表現などをストックしていく!

1冊ネタ帳を作って、書きながらネタをどんどん書き込んでいきましょう。きれいにまとめる必要はありません。気づいたことはどんどん書くようにしましょう。

「用語」の知識も重要です。例えば、自分が教育学部系に進みたい場合、教育に関するテーマがよく出題されるとします。そのときに、「生きる力」や「新学力観」など、用語の意味まで書けるようにします。文部科学省は、生きる力を、「知・徳・体のバランスのとれた力」と定義しています。そして、そのために、「知識及び技能」、「思考力、判断力、表現力等」、「学びに向かう力、人間性等」の3つの柱が重要であるとしています。

用語の意味を知った上で、それを深めていって、いちいちネタ帳に書き込んでいきます。

これは、積み重ねなので、練習する過程で分かったことや、塾や学校の先生に教えてもらったことを書き込むうちに、知識が深まっていきます。

 

こんな流れで小論文は準備をしていきます。

 

字数については、よくあるのが、600字、800字、1200字です。

読解問題と自分の考えを分割で書く形式で、200+400、200+600という形式も多いです。字数内におさめる感覚は、書いているうちに身についていきます。むしろ、字数の感覚がつくまで練習した方がいいです。

 

あとは、常日頃、自分の立場と意見を持つような習慣をつけましょう。何か議論が起こっているテーマがあったとき、「どうでもいい」という無関心の立場ではなく、自分ならこう思う、賛成か反対か折衷(部分的賛成・部分的反対)かの立場を明確にして、根拠も考えてみる、という感じです。間違っていてもいいので、無関心という立場だけはやめた方がいいです。

 

課題文読解形式の小論文の場合、ほとんどは筆者の意見と対立しないようにしましょう。筆者の意見に賛同する立場をとり、自分なりの根拠をつけていくようにします。特殊な小論文でなければ、筆者の意見をヒントに自分の小論文を書くような流れになります。

筆者は何十年もあるテーマについて探求しているので、僕らが反論するには分が悪過ぎます。斬新なことを言わなくていいので、それよりも構成や表現で工夫をして、説得力を増すようにしましょう。

 

小論文については、いろいろとありますので、一人で学習をしていて困ったことがあればご相談ください。