【親の悩み】我が子の覚えが悪い・理解が遅いと感じたとき…
英心うえの塾の中村です。
毎日、たくさんの生徒・親御さんとお話をして過ごしております。今回は、ときどきお話に出てくる、「うちの子、理解が遅いんじゃないか」問題です。進学塾の運営者として、どのようにお話しているかをお伝えします。
■そもそも『「理解の速さ」を問題にしないこと』が大切ではないでしょうか。
いくつか視点があります。「理解の速さ」よりも、「できる」まで学ぶ習慣の方が重要です。理解の遅さを問題にして、自信を失わせる方が損失です。一度できてしまえば、その後はずっとその技術を使って色んなことができます。実は、学ぶ時間よりもそれを使って活用する時間の方がずっと長いのです。
大人としては長い目線で見て、短期的に理解が遅いと感じても、気にしないことが重要です。
社会人の例で考えると良いでしょう。社員によって、仕事の技術を理解したり、覚えたりする速さには違いがありますが、いずれにしても習得してしまえば、速さは問題ではありません。少々理解が遅くて、覚えが悪くても、色んな技術を学び続ける社員の方が重宝されます。色んなことを覚えて使う期間の方が、学ぶ期間よりも圧倒的に長いので、理解の速さを問題にすること自体が意味のないことです。
大人が子供の学習に向き合うときに、そのようなことを分かった上で、「気にしない」という意識が必要です。
■「得意をどんどん伸ばして、苦手はじっくり学べばよい」という覚悟が必要
どうしても子どもの苦手なことに意識がいきますが、苦手なことは伸ばしにくいものです。しかし、得意な分野を伸ばすと「汎化」という性質で他の能力も伸びてきます。つまり、一つの能力を伸ばすと、その能力だけでなく、他の能力も伸びてきます。脳はそのようにできているので、苦手なことでグズグズしているより、苦手はじっくり、得意はどんどん伸ばすという方に子どもを導く方が、子どもも意欲的になるし、苦手なことも伸びやすくなります。
■「理解の速さ」を全く気にせず、何でもやってみて学習し続ける習慣をつけさせる!
子どもは何でもやろうとします。でも、年齢を重ねるうちに、やりたいことに挑戦してやり続けることが苦手になります。「失敗したらどうしよう」という不安なのか、自信のなさなのか、そうなってしまいがちです。
人間が何か始めるときには3つの過程があります。決意➡行動➡継続です。ほとんどの人は決意しないし、行動に移さないし、ましてややり続けることをしません。色んな事に挑戦し、結果を出し続ける人はごくわずかですが、3つの過程を踏んで何でも挑戦できる人がほとんどいないということです。
「理解の速さ」という、ある種どうでもいいことを気にするより、出来るまでやり続けるよう導いて、出来たときに一緒に喜ぶ方が遥かに大切なことです。
■大人も新しいことに挑戦して、出来るまでやってみればよいと思う。
大人になってから新しいことを始めるのは非常にハードルが高いものです。はじめはうまくいかなくても、ある時に「できる瞬間」を迎え、できることが増えていく感覚が出てくるものです。習得が速い他者と比べて自己嫌悪に陥るよりも、「やり続ける能力」の尊さを知っていて、やり続けることができることが大切です。
進学塾の講師として「やり続ける能力」を高める重要性を理解して子供たちの学習指導をしたいと思っています。